活動報告

大学院生対象の学際融合教育科目「大阪大学版 大学院での新しい学び方 -学際と社会関与をデザインする-」を開講しました(2025年度冬学期集中講義)

UPDATE: 2026.03.13

 標記の集中講義「大阪大学版 大学院での新しい学び方 -学際と社会関与をデザインする-」を冬学期の通常授業期間直後の2/10(火)、11(水・祝)、12(木)に豊中キャンパスの豊中共創棟B 2Fで開講しました(担当教員:田尾俊輔助教、堀井祐介教授、島村道代教授、李明准教授)。基本的には、夏学期の集中講義と同様の流れで実施をしました。
(参考)2025年度夏学期の開講報告:https://itgp.osaka-u.ac.jp/news/activity/2025/09081056397596/

 

  

 集中講義の構成としては、1日目に「大学院での学びと異分野間研究発表」、2日目に「共同研究を考える」、3日目に「研究の社会関与を考える」となっています。大阪大学の大学院教育システム(DWAA)の理念に沿った形となっており、1日目は大学院での学びの目的や意義を考えるとともに、自身の専門・研究内容を専門外の他者に伝えること、そして他者の専門・研究内容をきくことを訓練します。2日目は他分野との共同研究を考え、3日目は社会との関わりを考える中で、自身の専門をしっかりと見つめていきます。

  

 

 1日目は「大学院での学びと異分野間研究発表」がテーマです。授業オリジナルテキストの『大阪大学版・大学院での学び方ガイド』を読んでディスカッションを行った後に、ボードゲームDAIGAKUをプレイし、大学院での戦略的な学び方について考えるきっかけとなりました。

 

  

 そして、理論的な内容として大学・学問論の講義を聞き、学生・教員間で総合討論を行い、「大学院での学び」に対する理解を深めました。

 

 

 1日目の最後は「異分野間研究発表」です。1人あたり発表5分、質疑応答8〜10分を目安の時間として、1人ずつ前に出て発表しました。各人の発表後にはウェブフォームに質問を少なくとも1つは入力してもらうようにして、自分の話をする能力に加えて他人の話をきく能力も高めました。この練習は、2日目と3日目の活動にも活かされていきます。

 

  

 2日目は「共同研究を考える」というテーマです。午前は、異なる分野の大学院生同士で数パターンのペアを組み、共同研究のアイデアを深めていきました。自身の頭で考えることと生成AIを用いて考えることを繰り返して、お互いの分野への理解を深めていきました。午後は、大学や企業で実際に共同研究を行っているゲストスピーカーの方々のお話を伺い、共同研究へのイメージをさらに膨らませました。今回は、大阪大谷大学の朴炫宣先生とスタンドバイ株式会社の谷山大三郎様にゲスト講義をしていただきました。朴先生には薬学から教育工学へと研究の幅を広げられてきたお話を、谷山先生にはいじめ問題の解決に向けて多様な専門家の知見を取り入れた教材・アプリ開発のお話を伺いました。

 

 

 その後、共同研究を一緒に考えたい人とペアになり、共同研究案のポスター発表に取り組みました。1時間ほどペアでポスターを作成してもらい、ポスター発表タイムとなりました。

 

 

 受講学生と教員、ゲストスピーカーの間で活発な意見交換が行われました。

   

  

 3日目は「研究の社会関与を考える」というテーマです。午前は、理論や実例を学んだ後に、生成AIを使いながら、研究の社会実装のアイデアを多角的に考えていきました。午後は研究の社会関与を実践されているゲストスピーカーの講義を受けました。今回は、立命館大学の戸谷洋志先生に担当していただきました。数多くの本を出版されている戸谷先生に著述活動の意義についてお話しいただきました。

 

 

 ゲスト講義の後は、受講学生各自が研究の社会実装案をポスターにまとめ、2日目と同様に、ポスター発表の形式で交流を行いました。

 

 

 以下は今回の授業の受講学生による感想を抜粋したものです。

  • 共同研究や社会実装を考えるにあたって、自分自身と相手の研究分野の特徴や目指していることについて、対話をしながら理解を深めるプロセスが重要であることに気付けた。
  • 全く繋がらないのではと考えていた分野の研究者とも、何かしらの共同研究は案外可能であるということに気づいた。
  • 本授業を受講するまでは社会実装に対して高いハードルを感じていたが、一口に実装と言っても社会との関わり方は様々あり、まずは簡単に研究生活の中で社会関与を意識することからはじめようと思うようになりました。
  • 自分の視点からは思いつかなかった意見やアイデアが、他分野からの視点によってもたらされ得る。
       

  来年度は冬学期に集中講義の形式で開講を予定しています。ご興味のある方はぜひ受講してみてください。