対人支援現場における対話
医療・福祉・教育・心理など、社会におけるさまざまな対人支援の現場では、いままでの専門家から患者、当事者への一方向的なコミュニケーション(パターナリズム、インフォームドコンセント)から、双方の対等な対話的な関係(協同意思決定、オープンダイアローグ)へとコミュニケーションのモデルが移行しつつあります。これからの時代のケアや支援の専門家には、患者・クライアントと対等で共同的な関係を築くことのできる対話的なコミュニケーションの態度やスキルが求められています。そして、そうした態度は、単なるコミュニケーションのかたちを超えて、自他のケアやエンパワメントにもそのまま通じるものでもあります。本プログラムは、対話を中核に、他者の苦しみを理解し、支えるとはどのようなことなのか、ケアリングやエンパワメントとは何をすることなのかについて、実践と探究を行います。
身につく能力
- 共感的に対話する(empathetic dialogue)ための基本的な対話のスキルを培う
- 多彩な表現をともにかわちあう
- ケアリングやエンパワーメントに結びつく対話のあり方について、体験を通じて理解する
- 相手をケアするとはどういうことか、他人の苦しみを理解する、支えるとはどういうことか、という根本的な問題についても問いを立ててともに考える
- 特定のニーズをもつひとたちの置かれた社会状況について理解する
履修条件・履修方法
対人支援現場で働く経験を有する、または、そのような支援職に就く予定である者