死因究明学に根ざした法医学者・法歯学者養成プログラム
法医学者および法歯学者は以前よりなり手がおらず、これから数年で多くの教授が定年を迎え、この両者の育成は急務である。大阪大学では修士課程に設置した「死因究明学コース」とその高度プログラムで多くの社会人医師の教育を行ってきたが、それらは看取りや死後診察、検案での技能を高める速効型人材育成であった。
このプログラムはアカデミアでの法医学者および法歯学者を養成するプログラムで博士課程に設置し、通常の博士課程に加えた形で座学や解剖等の実務実習を行って実務面の涵養とdeath-oriented researchを促す。したがって、現在、臨床医の大学院生であっても将来の可能性を考えている場合には履修を可とする。
身につく能力
医師においては、
① 死体検案による死後画像読影を含めた死因診断の精度向上と必要な検査の抽出と
② 解剖の必要性を判別できる技能、および死体解剖技能が身につく。修了時には厚生労働省死体解剖資格申請が可能となる。
歯科医師においては、
③ 基本的な「法歯学」の知識、つまり個人識別能が身につくと同時に
④ 歯科口腔所見と死因との関係を理解できる能力が身につく。
「法医解剖実習」を選択した場合には厚生労働省死体解剖資格申請が可能となる。
履修条件・履修方法
医師免許あるいは歯科医師免許を有し、将来、法医学者、法歯学者を目指す大学院生を対象とする。
博士後期課程を対象にしたプログラム。