科学技術と倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
AIやバイオテクノロジー、量子技術やナノテクノロジーなど、先端科学技術の発展の一方で、さまざまな倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues: ELSI)が懸念されています。現代社会において、ELSIを乗り越え、責任ある研究・イノベーション(Responsible Research & Innovation: RRI)を果たすために、科学技術の適切な研究開発と社会実装を見据え、社会全体で意思決定を行い、マネジメントしていくという科学技術ガバナンスの姿勢が求められます。
このプログラムでは、ELSI/RRIの観点から、科学技術と社会のあいだに生じるELSIとそれらに対する種々のアプローチや対応策を俯瞰的に学ぶことで、自らの専門分野の枠組みを超えて、広く科学技術と社会の諸問題・課題を洞察、理解するための、基礎的な知識とセンスを身につけます。
なお、本プログラムは、「学際融合・社会連携を指向した双翼型大学院教育システムDouble-Wing Academic Architecture(DWAA)」において、「社会と知の統合」(社会課題の解決)に位置付けられます。
身につく能力
本プログラムでは、科学技術諸分野におけるELSIとその対策に関する実践的な学びを通して、所属する研究科(主専攻)を包括する俯瞰的な視点や文理の垣根を越えた学際的な思考法の涵養を目標とします。
具体的には、
- 科学技術と社会のあいだで生じる諸課題を的確に捉え、言葉で表現する能力の獲得
- 科学技術がもたらすELSIを多様な視点から整理し、対応策について検討する能力の獲得
履修条件・履修方法
履修条件は特にありません。社会のなかの科学技術における諸問題・課題や文理の垣根を越えた学際的な協働に関心のある学生を歓迎します。